成人男子頑張っています！

　私のげんき塾に、成人男子がひとりいます。支援学校高等部卒業後も通ってきてくれています。

　小学生高学年の頃から通っています。その頃は、わからないことがあると癇癪を起して座席から飛び降りていました。その後はしばらく大声で泣いて訴え続けます。

　でも、私もみんなもそのまま変わりなく学習を続けるのが常でした。

　そのお母さんは偉いんです。彼が大泣きしている時でも、手を貸したりなぐさめたりすることは1度もありませんでした。彼が泣くのはほぼ毎週。

　ところがある日、泣くはずの場面で泣かなかったのです。不思議に思いながらもありがたくその日の学習を終えました。学習終了後、お母さんに、「彼に何と言ったのですか？」尋ねたところ、驚異の発言が！

「泣いてばかりするから、今日は歩いて帰ります！」と言いました。というのです。車で40分はかかる道のりを。

「まさか本当には歩かなかったですよね？」「本当に二人で歩きました。」

　午後8時に学習が終了しましたから10時でも自宅にたどりつかない距離です。すご～い。

　その彼が、今も通ってきてくれているのです。漢字検定を受け、中１の数学計算と、苦手な国語は小5年の長文読解問題に取り組んでいます。

　その彼、職場では、一度指示したことはきちんとやってくれると、他の支援学校出身者の中でも重宝される存在だというのです。これが一番うれしいことですね。